あおぞら




第七話 『テスト返し』



■テスト返し■

先生 「ほんじゃあ、みんなが楽しみにしてたテストを返すぞ!」
皐月 「うごぉ〜〜ついに来てしまったぁ〜〜」
雪奈 「あはは……仕方ないよ…いずれは返ってくるものだし……(皐月の隣の席)」
皐月 「………なんかその言い方だと……まるで雪奈が頭良いって勘違いする読者がいるかもしれないから言うけど………雪奈は私よりヤバいよね………?」
雪奈 「うぅ………言わないで(泣)」
先生 「それじゃあ返すぞ〜まず男子からな。天野、五十嵐、宇和田………」

■皐月の番■

先生 「五十嵐」
皐月 「来てしまった……(ドキドキ)」
先生 「(テストを折って皐月に渡す)」
皐月 「(テストをゆっくり開く)……………(ドキドキドキドキ)」
先生 「五十嵐…………もう少し頑張ろうな」
皐月 「(――先生〜まだ見てないのにそんな希望も無い事言って欲しくなかった――(TдT)――)」

■テスト返し終了■

皐月 「ズ――ン」
雪奈 「さ、皐月ちゃん?どうだった……?」
皐月 「う………(テストを見せる)」
雪奈 「あ〜ぁ………(苦笑)」
皐月 「雪奈は………?」
雪奈 「わ、私?あはは……(苦笑)……私も悪かったよ……(目線を逸らし持っていた自分のテストを後ろに隠す)」
皐月 「何でテスト隠すの……?」
雪奈 「隠してなんかいないよ…?」
皐月 「じゃあ、何点か見してよ」
雪奈 「あはは………………(苦笑いしながら後ずさりする)」
皐月 「(ほほう……もしかして……私より悪かったな…)……ふふふ〜私から逃げられると思うなよッ!おりゃあッ!!」
雪奈 「わッ!ダメ!!返してよッ!!」
皐月 「ふふふ…隠し事はいかんな〜隠し事は〜〜。ん――…どれどれ〜」
雪奈 「わぁ〜〜ダメ〜〜!!」
皐月 「!!?………………私より…良い…………雪奈に………負けた……?」
雪奈 「だから、ダメだって言ったのに………」
皐月 「ふごぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!(泣)」


達二 「皐月、どうだった?テスト………いや、いい………。お前を見れば、どんな悲惨なもんだったか判る………」
皐月 「うぅ………(泣)」
達二 「お前……何さっきから泣いてんだよ……そんなに悪かったのか?(皐月のテストを見る)………うわぁ、何だよ。コレ?!…たっく――…だから、言っただろ?休み明けはテストあんだから、宿題は自分でやれって…」
皐月 「うぅ………(泣)」
達二 「でも、珍しいな……お前がテストでこれだけ落ち込むなんて…?」
雪奈 「う〜ん…私に負けたからだよ……」
達二 「へ――…雪奈、皐月に勝ったんだな?いつも負けてたのに…(ま、これだけ低けりゃ勝てるわな……)」
雪奈 「えへへ………(ちょっと嬉しそう)」
達二 「何点?(雪奈のテストを見る)」
雪奈 「えへへ……(照)」
達二 「………………(雪奈にテストを返す)」
雪奈 「えへへ……私勝ってたでしょ?」
達二 「あ、ああ…そうだな……あはは」
雪奈 「えへへ……(照)」

達二 「(――ああ、言えない…あんな嬉しそう雪奈に『あんま大差ないじゃん』なんて言えない……言えるわけない……――)」

■啓介の場合■

達二 「おい…お前はどうだったんだ?」
啓介 「俺?……悪いな……(達二にテストを渡す)」
達二 「おお…やるじゃん!」
啓介 「は?……良くないだろ?……だって、それ平均無いんだぜ?」
達二 「………………」
啓介 「………………」

達二 「(――しまったッ!あいつら基準で見てしまった――ッ!!――)」

皐月 「啓介は何点なの?(今やってきた)」←あいつら其の壱
雪奈 「何点〜?☆(皐月に勝ったので機嫌が良い)」←あいつら其の弐
啓介 「ああ、俺?俺は――うぐぅ」
達二 「(啓介の口を塞ぐ)あはは……こいつはお前らよりちょっと上なだけだよ…」
皐月 「ふ〜ん」
雪奈 「そっか…啓介くんには負けちゃったんだ…(ちょっと残念そう)」
啓介 「なんだよッ!!いきなりッ!!」
達二 「頼む!俺に合わせてくれ!!(啓介だけに聴こえるように小声)」
啓介 「は?何で?(こっちも小声)」
達二 「いや…………お前が本当の点言うと………かなり落ち込む奴が二人いるからさ………」
啓介 「はぁ…?」

■真弓の場合■

雪奈 「まゆちゃんはどうだったの?」
真弓 「…………(テストを見せる)」

一同 「ま…満点ッ?!!」

雪奈 「や、やっぱり、まゆちゃんは桁が違うね――…」
達二 「(――そりゃあ、お前らと比べるとな………――)」
啓介 「しっかし、すげーな…満点なんて」
達二 「ああ、すげーよな〜…」
皐月 「流石まゆちゃんだよ――」
先生 「おい!お前ら席に着け〜〜」
啓介 「おっと、戻るか(自分の席に戻る)」
皐月 「(自分の席に戻る)」
雪奈 「また後で(自分の席に戻る)」
達二 「じゃあ、真弓さん(自分の席に戻―――」
真弓 「達二くんはテスト何点…?」
達二 「俺?俺は86だけど……?」
真弓 「ふ…(鼻で笑う)…低…」
達二 「えぇッ?!いや…確かに真弓には勝てないけど…結構良いでしょ?」
真弓 「ふ…(鼻で笑う)…低…」
達二 「いや!低くないでしょ?!平均60だよ?!」
真弓 「ふ…(鼻で笑う)…低…」
達二 「いやだからッ!!」
先生 「五十嵐!さっさと席戻れッ!!」
真弓 「さっさと席に戻れ…」
達二 「……………」

達二 「(――真弓さんって絶対俺の事嫌ってるよね………何でだ?…もしかして最初のアレがいけなかったのか…?いや、でもアレは真弓さんが悪かったんだから……じゃあ、やっぱり俺が何か悪い事したんじゃあ…え?何かしたか俺?えーと…もしかし―――――)」


皐月 「で……何?このオチ?」
達二 「いい加減オチから離れないか…?」
皐月 「だってさ。このオチ……」
達二 「はいはい。皐月、もうこんな時間だ。お家に帰ろうね」
皐月 「でもこのオチ…」
達二 「今日はお前の好きなブリの煮込みにしよう!」
皐月 「オチが…」
達二 「うんうん、そんなに嬉しいか?」
皐月 「オ――」

達二 「しまい☆チャンチャン♪」


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