あおぞら




第六話 『ダルぅ…そんな一日』



■朝礼後■

皐月 「ダルぅ……ウイルス菌でも流行って学級閉鎖になんないかなぁ……」
達二 「朝から何縁起でもねー事言ってんだよ…」
皐月 「だってさ……何かこの時期ダルくない?梅雨時だからか知んないけどさ……」
雪奈 「うーん…確かにこの時期は何故か何もする気になれないよね――…これが噂の五月病なのかもね…」
皐月 「それだッ!まさしくその五月病だッ!……う――…ダルぅ」
啓介 「いや…、皐月お前のは絶対五月病じゃねーから……(苦笑)」
達二 「まぁ……結局の所は気力の問題って事だな」
雪奈 「……そうだね…気力の問題だよね。………よし、今日も一日頑張ろ!」
達二 「雪奈は素直だな…こいつ(皐月)とは大違いだぜ」
皐月 「うるさいなー…」
啓介 「ま、とにかく、雪奈の言う通りだ。ダルいかもしれないけど…元気出して、今日も一日頑張ろうぜ!」
達二 「だな!」
雪奈 「うん、頑張ろう!」
皐月 「………トットと連休になんないかな……ダルぅ……(ボソッ)」

一同 「………………」


■一時間目終了後■

皐月 「ぢぬぅ〜〜〜〜〜〜」
達二 「何、お前は唸ってんだ……恥ずかしいからやめなさい」
皐月 「うごぉ〜〜〜〜〜〜」
達二 「だから、貴様は何唸ってんだッ!……恥ずかしいからやめろって言ってんだろ?!五十嵐家の品位が疑われる」
雪奈 「あはは……(苦笑)…皐月ちゃんが唸ってるのは三時間目に体育があるからだよ……」
皐月 「ふんが〜〜〜〜〜〜」
達二 「?…なんで体育があるからって唸ってるんだ…?」
雪奈 「嫌みたいなんだよ……」
皐月 「ばぶぅ〜〜〜〜〜〜」
達二 「あれ?……こいつ体育好きじゃなかったっけ?」
雪奈 「普段ならそうなんだけどね………この季節はダルいから嫌いなんだって…(苦笑)」
皐月 「しねぇ〜〜〜〜〜〜」

達二 「(――うわぁ――…どうしようもね――…こいつ本当自己中だな――判っちゃいたけど………てか、こいつの唸り声段々ヤバくなってる――…――)」

■昼食時■

皐月 「ダルぅ…………」
達二 「お前……ずっとそれ言ってるな……」
皐月 「だって…本当の事だし…」
啓介 「てか、言ってて余計ダルくならないか?」
皐月 「別に〜〜むしろ言ってた方が…楽」
啓介 「あっそ……」
皐月 「うぅ―――――ごちそうさま…」
達二 「えッ……?!」
雪奈 「嘘―――?!」
啓介 「マジ………かよ?!」
真弓 「………………(驚愕の表情)」
皐月 「何この驚きの反応……」
達二 「お前………全然食ってないじゃん!今日はまだ弁当箱一個半しか食ってねーじゃねーか?!どうしたんだよ?!熱でもあんじゃねーのか?!!」
皐月 「ダルいだけ………てか、食べてるじゃん!一個半も!」
啓介 「それがおかしいんだろ?!いつもなら、弁当二つ分食って、さらに俺らの分までとって食べるくせに!!」
皐月 「人を大食いみたいに言わないでくれるかな………」
雪奈 「皐月ちゃん…………大丈夫?」
皐月 「雪奈………そんな今にも死にそうな人を見るような眼で見ないで…………悲しくなるからさ」
達二 「先生!皐月が弁当半分も残しました!皐月は体調が滅茶苦茶悪いので早退させてください!」
皐月 「ちょっ………待ってよ!そんな弁当半分残しただけで早退ってどんだけよ…!」
先生 「本当か?それは…?!至急五十嵐は早退しなさい!!」
皐月 「ちょっ……先生まで?!」
真弓 「…………………」
皐月 「まゆちゃんは判ってくれるよね?私はただダルいだけで……別に早退までする必要がない事を」
真弓 「…………ガンバ(優しく微笑む)」
皐月 「まゆちゃんまで………(TдT)」


皐月 「で、オチは…?」
達二 「またそれかよ……何でもかんでもオチをつけりゃあいいってもんじゃねーんだぞ?」
皐月 「そうなの…?」
達二 「ああ、某お笑い芸人が言ってた」
皐月 「ふ〜ん………で、オチは?」
達二 「お前……俺の話聞いてたか?」


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