あおぞら




第三話 『イメージ』



■昼食時■

皐月 「ん―――…」
達二 「さっきからお前は何を唸ってるんだ?」
皐月 「いやさ…お米って何で主食なのかなぁーって…」
達二 「何でまた急に……」
皐月 「いや、だって思わない?米以外にも主食になる物いっぱいあるのにさ…何で日本はお米が主食なんだろ――?って……外国とかはパンなのにさ…」
雪奈 「言われてみればそうだよね――…何でだろ?」
啓介 「う〜ん…米が栄養価的にバランスが良いからじゃね…?」
達二 「かもなぁ…」
真弓 「………初夏に梅雨があるなど雨が多く、また、夏には気温が熱帯と変わらないくらいに高くなり、日本の気候が稲の栽培に適していた為、また、お米は長い間保存する事が出来るので、収穫が少ない時も保存した物が食べられる為。そして、お米は日本人の味の好みによくあった食べ物であるからなどが主な理由………」

一同 「……………」

雪奈 「…そ、そうなんだぁ〜。へー知らなかったなぁ」
達二 「日本の気候に合ってたんだな〜米って…」
皐月 「うむうむ、日本人の好みってのも納得納得〜」
啓介 「いや〜でも、よく知ってたな、そんな事…」
真弓 「………子供の頃、よくそういうの不思議に思って調べたから……何で雲は白いのかとか…何で海は青いのかとか………」

一同 「……………」

皐月 「へぇ――、私より先に不思議に思ったんだねぇ〜(――意外だなぁ…イメージ的に雪奈なら判るんだけどね…――)」
達二 「なる程なぁ〜(――意外だな…そんなイメージじゃないんだけどな…――)」
啓介 「調べるってあたりもすごいよな〜(――意外だ……なんか可愛らしいな…真弓さんはイメージ的にクールっぽいんだけど…――)」
雪奈 「…なんか、まゆちゃんらしいね☆」

一同 「(――えッ?!そうなのかッ!!――)」

■真弓委員会で不在■

皐月 「思ったんだけど……人にはイメージってのがあるよね〜」
達二 「そうだなぁ…確かにあるな…」
雪奈 「うん、あるね〜。怖いイメージだったり、優しいイメージだったり…」
啓介 「じゃあ、雪奈はドジッ娘イメージだな(ニヤニヤ)」
雪奈 「なッ!!私ドジッ娘じゃないよ――ッ!!」
皐月 「じゃあ、天然娘イメージだね〜(ニヤニヤ)」
雪奈 「………む。……な、なら、皐月ちゃんは何イメージなのさ?」
達二 「こいつはダメ人間イメージだな(ニヤリ)」
皐月 「なッ!!…た、達二は主夫イメージだよね〜。家事好きだもん。家事が趣味だなんて可哀相だね〜(ニヤニヤ)」
達二 「なッ!!家事はお前がやらないから仕方なく…てか、ダメ人間に言われたかねーなッ!!」
雪奈 「あわわ……け、喧嘩はやめようよ――」
啓介 「はいはい。ムキになんなって、二人共〜もう高校生だろう?」
達二 「…………………」
皐月 「…………………」
雪奈 「ふぅ………(安堵の溜息)」

啓介 「…で、真弓さんはどんなイメージなんだ?」
達二 「いや、普通にクールだろ?」
皐月 「うんうん、普通クールだよ」
啓介 「だよなぁ…俺もそんなイメージだよ」
雪奈 「そうかなぁ……?」
啓介 「何だよ?他に違うイメージあるのか?」
雪奈 「うん…あるよ」
達二 「へー何?(…他にあったか?クール以外に…)」
雪奈 「可愛いイメージ♪」

一同 「…………………」

達二 「そ、そうかぁ?(――可愛い?…可愛い?真弓さんが…?――)」
啓介 「お、俺にはそんなイメージないなぁ…(――可愛いねぇ……どう見てもクールだろ?あの無表情・無口…そして、時々見せるすました顔…どう見ても可愛い所は無いだろ?――)」
皐月 「わ、私も無いかなぁ〜(――いや…どう見てクールでしょ?さすが天然!!あのクールさを見て尚、可愛いというとは…雪奈…君は最高だよ!!――)」
雪奈 「え?何で?すっごく可愛いじゃない!!まゆちゃん」
達二 「た、例えばドコが…?」
雪奈 「ん――…、例えば……花壇にお花があったら思わず話しかけちゃったりする所かな〜♪……あのまゆちゃんは可愛いかったなぁ…後で私が見てたって知ったらいきなり大慌てして……くす☆」

一同 「…………………」

達二 「……花壇の花に…」
啓介 「……あの無表情・無口でクールな真弓さんが…」
皐月 「……話しかけていた…?」

一同 「(――全く想像出来ねぇー…――)」


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